2005-08-15
@帝国劇場(7/23M&8/15M)
CAST:
7/23M
ヴォルフガング:井上芳雄
コンスタンツェ:西田ひかる
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:久世星佳
アマデ:高橋愛子
8/15M
ヴォルフガング:中川晃教
コンスタンツェ:木村佳乃
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき
アマデ:黒沢ともよ
というわけで、とりあえず2005年キャストは制覇しました。(除・アマデ)
初演は見てないので今回初見です。
感想としては、「すごくいいけどあんまりリピートはしないだろうな」かな。同じ作者のミュージカルなら「エリザベート」のが何度も見たいかも。
というのはですね、ストーリー自体の出来があんまり良くない気がするんですよ。(すいません。ほんっとすいません)なんていうんだろう。あちこち複線貼りまくって回収しきれてない推理小説みたいな。
プロローグとエピローグが繋がってないから、「墓曝きな人々の意味は何しに出てきたんだろう。オチには関わらないの?」とか、ナンネールとの確執(?)も半端で、最後にヴォルフ発見したときの心の動きも由美子嬢の演技任せだし。ドラマ感が薄いのかなぁ。
あ、でも曲は好きです。特に合唱曲全般大好き。あと始まり方好きですね。最初の墓曝きチーム登場の後…「奇跡の子」ですか?15日に見た時なんか思わず涙腺が緩んでしまうほどに(笑)ああいう曲調で迫力ある歌には弱いんです…同じ理由で「モーツァルト! モーツァルト!」「影を逃れて」「ここはウィーン」辺りも大好きです。
キャスト別の感想だと、やっぱりヴォルフ二人のキャラクターの違いがでかいなーと思いました。で、どっちか選べと言われたら井上ヴォルフ。
こっから先は個人的好みの話しになってしまうんですが、なんで井上ヴォルフかと申しますと、彼のヴォルフが「天才とダメな人」を常に行き来してる脆いヴォルフ(と感じた)からなのかなと。アッキーヴォルフはナチュラルすぎて、天真爛漫すぎて、アマデとの間に差を感じないんですよね。ナチュラルに傲慢。
顕著に差を感じたのがナンネールにお金を送ろうとしている矢先に曲が出来て、そのお金を友人にあげてしまうシーン。
あっきーの場合は感情の流れがとってもナチュラル。無邪気な子供が気まぐれでそういう行動をするように見えるから、決して不可解じゃない。
でも井上ヴォルフ見たときはあのシーンすごく「え?」って思ったんですよ。初回だからってだけではないと思う。全体的に井上ヴォルフは結構普通の人っぽいところがあって、お姉ちゃんとイチャイチャするのも堂に入ってる(笑)し、コンスタンツェに対する態度もごく普通の男っぽい。それがふとした瞬間に「天才」の一面が垣間見えて、そのギャップというか歪みにゾッとしたわけです。大人なのに子供の一面を持つヴォルフと、子供(の姿)でありながら時に大人びた表情のアマデ。書かずにいられない衝動と、自堕落な生活をしていたい普通の男としての願望。実際には一人の人間感情であるそれを、二人が演じ、舞台上で交錯してぶつかり合って生まれる「歪み」。だから一幕ラストの「チャイルド・プレイ」(違)なアマデが怖い怖い。
彼女とイチャイチャしてても、落ち込んでいても、頭のどこかで常に音楽が湧き出るヴォルフの宿命というか、その湧き出る音楽に飲み込まれていく様子というか。ついでに高音きつそうでいっぱいっぱい感もそれを増幅してて良かったです(笑)
対してあっきーヴォルフはアマデとの一体感が強かったな。なので、ラストも「飲み込まれた」というよりは「受け入れた」という印象を受けました。高音も楽々出てて、余裕があって、天真爛漫で天才そのものなあっきーヴォルフ。だからこそ、私的には物語としてのインパクトが感じられませんでした。コンスとのシーンも生々しさがなくて子供のままごとみたいというか、それがまた「らしい」というか。まあ、これは相手が木村嬢だったからかもですが。
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